競合相手は、敵か味方か。
昔は本当に営業が苦手で、競合相手が多いプレゼンなどをやらなければいけない場合、もう本当に嫌で嫌で仕方がありませんでした。
見えない敵と戦わなければならないという不安感から、もう失敗ばかり。
そんな時代がありました。
お客様の言動一つとっても、暗い気持ちになったり、明るくなったり・・・とかね。
3年ほどの前に会ったとあるメーカの社長から聞いた話
とあるメーカの社長と会ったのは、とある石川県で開催された展示会。
ちょうどその時、自分が抱えていた競合相手が多い引き合い案件に、本当に頭を抱えていたんです。
しばらく談笑した後、話の流れから『今抱えている案件、競合相手が多くて・・・』と、思わずつぶやいでしまったんですよね。
その社長は、しばらく黙ったあと、口を開いたんです。
『競合相手は、敵ですか?』
競合相手はすべて敵だと思っていた私は、思わず黙り込んでしまったのです。
あれ?敵?いや、敵じゃないよね。
じゃぁ、敵じゃなかったら何?
さらに社長が概略を聞いてきたので、かいつまんで説明をした後、
『そうですね。では、その競合相手がいなくなったら、あなたの製品は売れますか?』
頭の中でぐるっと、抱えている案件の構想を見返したんです。
あれ?売れないぞ・・・。
さらに社長が、『何故だと思いますか?』答えられなかった私に、社長が静かに話してくれたんです。
『競合がいるから自社の製品と差別化ができ、自社製品の良さが見えてくるでしょう?だから、競合は敵じゃなく、実は仲間なのです。』
その言葉にはっとさせられたんです。
『商品やサービスを売る』ということは、ターゲット(お客様)の生活を便利にしたり、お金に変えられないものを提供したりすることであって、他社と競争して勝ち取るものではなかったんです。
それに気づいていなかった・・・私。
重要なのは、販売する商品やサービスがお客様のビジネスにとって必要かどうか、役に立つかどうか、価値があるかどうかなのです。
お客様にその価値を感じてもらう場合、それは、競合相手いたほうが良いのです。
だからこそ、競合相手は必要不可欠な存在でもあったりするわけです。
まとめ
その話を聞いた後、自分の中の思い込みがすっきり流れ落ち、言葉の通り目の前が一気に明るくなりました。すぐにデモンストレーションの内容を見直したのは言うまでもないです。